脂肪肝と肝炎、肝硬変、糖尿病の関係 肝臓病にならない場合も?

  • 作成:2016/06/06

脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまった状態で、肝炎や肝硬変につながる可能性があります。ただ、肝臓の病気につながらないケースもあります。糖尿病との関係を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師
脂肪肝と肝硬変はどう関係?
脂肪肝と肝炎の関係
脂肪肝と肝硬変の関係
脂肪肝と糖尿病の関係

脂肪肝と肝炎の関係

「肝炎」とは、文字通り、何らかの原因により肝臓が炎症を起こした状態を指します。脂肪肝にはアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝がありますが、アルコール性脂肪肝はアルコールの摂取をやめることですみやかに改善します。しかし、アルコールの摂取を続けると肝臓は次第に炎症を起こし、アルコール性脂肪肝からアルコール性肝炎へと進行する場合があります。

また、非アルコール性脂肪肝は通常放置しても肝炎に進行することはありませんが、非アルコール性脂肪肝の1割程度に肝炎や肝硬変に進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が含まれている場合があり注目されています。非アルコール性脂肪性肝炎になるかどうかは、定期的に血液検査や画像検査を行い、経過をみないと分からないため、脂肪肝と診断された初期の段階では判別できません。そのため、非アルコール性脂肪肝の場合であっても食生活や生活習慣の改善を行い、すみやかに脂肪肝を改善するほうが安全であると考えられます。

脂肪肝と肝硬変の関係

「肝硬変」とは、肝臓に何らかの原因で慢性的な炎症が続いた結果、肝臓の線維化(せんいか)が進んだ状態を指します。身体の中で、炎症が起こり、組織が壊されると、組織を修復する細胞が集まってきてコラーゲンを生み出して、欠けた組織の穴埋めをします。肝臓でも慢性的に炎症があると組織が壊されたり、また新しく作られたりを繰り返すことで肝臓の組織にコラーゲンが増殖した状態となります。コラーゲンが増加した状態を「線維化」呼んでいます。線維化がごく軽度であれば問題ありませんが、進行すると肝臓の機能が失われてしまいます。

単純な脂肪肝と、肝硬変には直接の関係はなく、単純な脂肪肝を放置しても肝炎や肝硬変に進行することはないと考えられています。ただし、当初は単純な脂肪肝と考えられたケースの中に、肝臓に炎症を起こして、次第に肝硬変へと進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が含まれている場合があります。非アルコール性脂肪性肝炎は、単純な脂肪肝と異なり、放置すると肝炎から肝硬変、肝臓癌などを起こすことがある危険な病気であり、診断された当初から積極的に治療を行う必要があります。肝臓に炎症が起こると血液検査で通常の脂肪肝とは異なる結果がでるため、非アルコール性脂肪性肝炎を診断するきっかけとなります。そのため、単純な脂肪肝と考えられても定期的な血液検査を受け、非アルコール性脂肪性肝炎になっていないかどうか調べてもらったほうが安全と考えられます。

脂肪肝と糖尿病の関係

脂肪肝と糖尿病には深い関係があります。肥満の状態になると、本来脂肪を蓄積しない肝臓や筋肉に脂肪が蓄積されることがわかっていますが、脂肪肝の状態と血糖値の上昇に強い関係があることが判明しています。

糖尿病とは、簡単に言うと「血糖値(けっとうち:血液中の糖分の量)」が高い状態が続く病気です。体内の血糖値を下げるためにはインスリンというホルモンが重要な役割を持っています。食べ物を食べて血糖値が上昇すると、すい臓から「インスリン」というホルモンが放出されます。インスリンが作用すると、糖分が血液中から各臓器の中に移動するため、血糖値が下がります。しかし血液中に糖分が過剰に存在し、体内の臓器の中に糖分が移動しても、まだ血液中に糖が余っている状態(血糖値が高い状態)が続くと、肝臓は余った糖分を取り込んでグリコーゲンという物質のほか、脂肪に変えて貯蔵する働きを持っています。このように血糖値が高い状態が続くと肝臓に脂肪が蓄えられ脂肪肝となってしまうのです。

また脂肪肝の状態になると、身体全体のインスリンの効きめが悪くなるということが、近年判明しています。インスリンの効きめが悪くなることを医学用語で「インスリン抵抗性(ていこうせい)」と言います。血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌されて血糖値が下がるのが普通ですが、インスリン抵抗性があるとインスリンが効かないため、血糖値が下がらなくなってしまうのです。するとインスリンが分泌されているにも関わらず、血糖値が高い状態が継続するため、糖尿病になってしまったり、元々ある糖尿病が更に悪化してしまいます。

つまり糖尿病は脂肪肝を悪化させますが、脂肪肝もまた糖尿病を悪化させるということなのです。

脂肪肝と糖尿病は、相互に影響しあって悪循環を生じる可能性があるため、脂肪肝と糖尿病が同時に存在する場合は両方とも並行して治療を行う必要があるのです。


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脂肪肝と、肝炎、肝硬変、糖尿病の関係をご紹介しました。肝臓の状態や調子に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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いつもお世話になりありがとうございます。 糖尿病の人は脂肪肝になりやすいですが・・・ やはり改善するにはA1Cや血糖値を下げるしかないですか? 数値が良くなれば脂肪肝も消えていくでしょうか? 教育入院をした時に血液検査では出ませんが超音波で軽い脂肪肝と指摘されました。 今はインスリン療法になりましてA1Cも6.0パーセントになってます。 糖尿病の人の脂肪肝について、また改善方法を詳しく教えて下さい! ご指導をお願い致します。

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