おりものの生理前、排卵日、排卵後、妊娠初期の変化 量や色に差?妊娠時におりものが減らない理由も解説

  • 作成:2017/02/20

おりものは、妊娠するためなどに重要な役割を果たしているため、生理によって、形や量が変化します。当然、妊娠した場合も、おりものは通常と違った変化をします。おりものの量や質が、生理周期にしたがって、どのように変化するのかを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤恒正 監修
落合病院 副院長
近藤恒正 先生

この記事の目安時間は6分です

おりものは生理や妊娠でどう変化する?

目次

「おりもの」って、そもそも何?

俗に言う「おりもの」とは、子宮内膜(しきゅうないまく:子宮の内側を覆っている組織)の分泌物、子宮頸管(しきゅうけいかん:子宮の下に位置し、腟とつながっている部分)からの分泌物、腟壁(ちつへき)からの分泌液と古い細胞などが集まった粘液、バルトリン腺(腟の入り口部分の左右に存在する分泌腺で、うまく性交(セックス)できるように促す働きを持つ)や皮脂腺や汗腺からの分泌液、これらが混ざり合った粘り気のある液体が、腟の外へ排出されたものです。おりものは、医学的には「帯下(たいげ)」と呼ばれています。

おりものは、毎日腟の中で分泌されていますが、毎日排出されるのではなく、周期的に、分泌量が多くなると腟の外へ排出されるため、下着に付着したりするなど、目に見える形で確認することができるようになります。

正常に分泌され腟の外へ排出されるおりものは、生理的な現象です。成熟し生理がある女性のおりものの分泌は必要不可欠と言えます。

おりものは、いつも同じではありません。正常なおりものでも、卵の卵白のようなもの、さらりとしているもの、乳白状のもの、粘着力が強いものなど様々で、周期によって見た目の性状そして分泌量などが大きく異なっています。

おりものの性状(形や色など)そして分泌量が正常とかけ離れている場合、身体で異変が起きている可能性が非常に高くなります。おりものは、異常を発見できる身体からのサインといわれています。異変があった場合は、婦人科あるいは産婦人科で検査を受け、その原因を探ることが必要です。

おりものと生理周期の関係

おりものの分泌量と形態の変化は、生理の周期と連動しています。なぜなら、おりものは、生理と同じように女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)の影響を受けているためです。生理の周期(平均28日周期)は、以下の4つにわかれています。

・生理がある「生理期(約5日から6日程度)」
・排卵期までの「卵胞期(約6日から7日程度)」
・排卵日が含まれる「排卵期(2日から3日程度)」
・次の生理予定日までの「黄体期(約12日程度)」

おりものは、生理の周期に連動して分泌量が変わります。卵胞ホルモンは排卵期に、黄体(おうたい)ホルモンは黄体期に分泌量のピークを迎えます。おりものは、卵胞ホルモンとほぼ比例するように排卵期に分泌量のピークを迎えます。

おりものの役割

おりものの重要な役割は2つあります。「自浄作用機能」と「受精の手助け」です。「自浄作用機能」とは、腟からの細菌の侵入を防ぎ、常に腟の中を清潔に保つ働きをすることです。

腟口は、位置的にも肛門に近いために大腸菌が侵入しやすいのです。また腟の中や外陰部(腟口)の周辺の皮膚に存在している常在菌(身体に生息し常に存在している微生物(細菌):クラミジア、淋菌、カンジダ、トリコモナスなど)は、免疫や体力が弱っているときに繁殖しやすく、性交時などにも侵入しやすくなっています。おりものの正常な分泌は、腟、子宮頸管、子宮を細菌から守る役割を担っています。

排卵期に性交を行うと、卵巣から排卵された卵子が腟から侵入して子宮に入ってきた精子と卵管で出会い受精します。受精卵は約1週間かかって卵管を通過して子宮に入りますが、受精卵が子宮内膜に着床した場合に妊娠が成立します。

「受精の手助け」とは、腟から侵入してきた精子が子宮頸管を通り子宮内へスムーズに入ってこられるようにする働きのことです。

おりものは生理周期そして女性ホルモンと密接に関係していますので、年齢にも大いに関係しています。

おりものは、20代と30代で分泌のピークを迎え、40代から閉経前に徐々に減少してゆき、閉経後にはほとんど分泌されなくなります。

このように、おりものは年齢にあわせた女性ホルモン分泌の変化に伴ってその分泌状態も変化します。女性ホルモンが活発な20代や30代では、おりものの分泌量も活発になっています。

生理前のおりものの変化

生理直前のおりものの主な特徴は、以下の3点です。

・排卵期でピークを迎えた分泌量が徐々に減少し続けた後、生理予定日の直前になると多少増加する ・生理が近くなるほど、強い臭いを感じる傾向が強くなる
・乳白色が強くなり、下着に付着したおりものが乾くと淡黄色に見える場合があり、多少粘り気が増す

本来、腟の中には、常に存在し続けている「デーデルライン桿菌(かんきん)」という細菌がいて、身体に良い影響を及ぼしています。

デーデルライン桿菌は、腟粘膜の細胞のグリコーゲンから乳酸を作り出し、膣の中を強い酸性に保ちながら、侵入してきた細菌を死滅さたり、あるいは膣の中で細菌が繁殖できないようにする役割を担っています。

このため、腟の中で作られた乳酸が含まれているおりものには、少し酸っぱいようなあるいは発酵したような臭いが感じられる場合があります。生理直前(1日から2日前)だと、経血が少し混ざってくる場合があるため、血のような生臭さを感じる場合もあります。

また生理が近いとおりものの量が多くなるため、パンティーライナーを生理予定日の数日前から使用する方も多くなっていますが、パンティーライナーやナプキンは、外陰部(腟口)の蒸れを生じさせる原因にもなっています。

臭いに関しては、長時間外陰部(腟口)におりものが付着していると、細菌や雑菌(あるいは汗)が繁殖しやすくなり、嫌な臭いがすることが多くあります。

パンティーライナーやナプキンだけではなく、蒸れやすい下着を身につけている場合にも、汗によって雑菌が繁殖しやすい状態になっています。

外陰部(腟口)の周辺の皮膚には、常在菌が存在していますし、大腸菌なども付着しやすくなっているため、病気あるいは子宮や腟の異常が原因による悪臭でなければ、外陰部(腟口)を常に清潔に保ち、パンティーライナーやナプキンを頻繁に取り換え、通気性のよい下着を身に着けるなどすると、強い臭いも気にならないようになります。

ただし、腟の中を洗いすぎると、細菌の侵入を防いでくれている大切なデーデルライン桿菌まで洗い流してしまう可能性があるため、ビデなどによる過度の洗いすぎには注意してください。

参考までに、おりものが悪臭を伴う病気の例としてトリコモナス腟炎、細菌性腟炎などがあります。生理直前のおりものの臭いはきつくなる傾向が高いのですが、あまりにも強い悪臭をはなつ場合は、病気の可能性があります。放置せず、婦人科あるいは産婦人科で検査を受け、必要な治療を受けてください。

おりものは排卵日にどう変化する?

排卵日のおりものの大きな特徴は2つあります。

まず、1つ目の特徴は、「分泌量の増加」です。排卵日のおりものの分泌量は、生理周期の中で一番増えています。排卵日(排卵期)におりものの分泌量が増加する原因は、精子をスムーズに移動させるためといわれています。

排卵期におりものが増えるのは、子宮頸管から頸管粘液の分泌が盛んになることが原因です。この時期の頸管粘液はアルカリ性で、精子が侵入しやすい状態になっています。その結果、腟から侵入した精子が、腟、子宮頸管、子宮のなかをスムーズに移動しその先の卵管までうまくたどり着くことができるようになり、卵巣から排卵された卵子に出会いやすくなります。

そして、2つ目の特徴は、「粘り気」です。排卵日のおりものは、大変強い粘り気をもっています。見た目は、卵の卵白のようにとろみがかった状態、あるいは透明のゼリー状のような、無色透明をしています。

そして、実際に手で触ってみるとわかりますが、非常に粘り気があり指で引っ張ると数センチ糸を引いたように伸びます。

この粘り気は、周期の他の期間では見られず、排卵日のおりものの大きな特徴となっています。粘り気のあるおりものも、分泌量の増加と同様に、精子が移動しやすいようにするためといわれています。

このように、排卵日の分泌量の増加そして粘り気は、どちらもおりものの役割の1つ「受精の手助け」になります。

また、排卵日(排卵期)のおりものの臭いは、ほとんど無臭です。おりものの量が増える疾患の例として、細菌性腟炎、クラミジア感染症、トリコモナス腟炎、淋菌感染症、カンジダ症などがあります。

排卵日ではおりものの量が増えますが、粘り気のあるおりものが出るのは長くても1日あるいは2日程度です。排卵日以外におりものが増加している場合は、悪臭がある場合と同様に病気である場合が多いため、すぐに確認をしたほうがよいでしょう。婦人科あるいは産婦人科を受診してください。

おりものは排卵後にどう変化する?

排卵後の黄体(おうたい)期のおりものの特徴は、分泌量がしだいに減少するという点です。

排卵後の黄体期では、排卵直後から黄体ホルモンが増加してゆき、後半にその分泌量がピークを迎えています。

黄体期の黄体ホルモンの役割は、受精卵が子宮内膜に着床できるように子宮内膜を厚くし、妊娠の準備をするというものです。そして、妊娠の準備をするだけではなく、着床後、妊娠を維持するために活発になります。

排卵後、受精し、着床(妊娠)すると、おりものは減少はせず、そのまま分泌量を保ち続けます。一方、着床しなかった場合には、おりものの分泌量は生理予定日まで減少を続けてゆきます。

排卵後のおりものは、少し粘り気が残っていますが、さらりとしてきます。おりものの色は、排卵直後は無色透明ですが、その後、黄体期後半、生理予定日が近くなると乳白色が強くなり、乾くと淡い黄色に見えることもあります。

おりものは妊娠超初期・妊娠初期にするとどう変化する?

妊娠超初期、つまり受精卵が子宮内膜に着床したときのおりものの最大の特徴は2つあります。分泌量が排卵日に匹敵するほど増加するという点、そして水っぽくさらさらしてくるという点です。

排卵後、おりものは、さらりと水っぽくなり、分泌量が増加します。ただし、水っぽくさらりとしているものの、多少粘り気もあるため、量が多いことからも、おりものがぼてっと重く、重量感を感じる場合もあります。

妊娠でおりものが減らないわけ

なぜ、妊娠すると、おりものは減少しないのでしょうか?それには、妊娠したときに活発になるホルモン分泌が関係しています。

女性の身体では、妊娠すると同時に、「ヒト絨毛性ゴナドトロビン(じゅうもうせい)(hCG:Human Chorionic Gonadotropin)」というホルモンが分泌されはじめます。

特に、妊娠初期では、hCGが妊娠を維持させるために黄体を刺激する結果、卵胞ホルモンそして黄体ホルモンの両方の分泌量も増加してゆきます。卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、どちらも妊娠を維持させようと働いてくれるホルモンです。

妊娠超初期では、自分でも妊娠したことに気づいていない時期でもありますが、すでに着床により増加しはじめた卵胞ホルモンによって、おりものの色は乳白色になります。

この乳白色のおりものは、通常、妊娠1週目から2週目で実際に確認できます。また、妊娠超初期と妊娠初期のおりものは、ほとんど無臭です。ただし、個人差があるため、おりものの量や色によって妊娠の有無を確実に判定することはできません。

妊娠超初期の茶褐色のおりものは大丈夫?

また、妊娠超初期では、茶褐色のおりものが出る場合もあります。原因として、妊娠超初期の着床出血(ちゃくしょうしゅっけつ)があげられています。

着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床した際に起こる場合があります。生理予定日の数日前、生理のように長期間ではなく1日から2日間、茶褐色のおりもの(まれに鮮血:真っ赤な血)がみられ、その量は非常に少ないのが特徴的です。

着床出血がある確率は、約3人に1人の割合といわれていますが、実際に自分で認識できる人はそれほど多くなく、ほとんどの妊娠では着床出血はみられないといわれています。

また、子宮体がん、子宮頸がんなどでも、おりものが茶褐色になります。

子宮体がんの場合、おりものは、水っぽく、茶褐色などの色も混じってきます。子宮頸がんの場合は、初期では自覚症状は全くありませんが、進行するとおりものの量が増え、色は茶褐色となり、悪臭を伴うようになります。

着床出血のおりものが茶褐色になる場合もありますが、おりものに血が混じっていたり、悪臭や下腹部の痛みなどを伴う場合には、すぐに婦人科あるいは産婦人科で検査を受けてください。

このように、生理の周期によるおりものの状態や量の変化を把握しておくと、排卵日、妊娠の兆候、そして病気にいち早く気付くことができます。おりものの変化は、妊娠だけではなく、身体の異変を知らせてくれるサインであると覚えておきましょう。

おりものと生理周期についてご紹介しました。おりものについて不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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