熱中症の予防方法 麦茶、牛乳、梅干は効く?注意報の基準と活用方法は?水分や塩分補給方法も解説

  • 作成:2016/04/05

熱中症は、対応が遅れると重大な後遺症が残ったり、死亡したりするケースもあります。予防方法や、危険性の確認方法も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は6分です

熱中症の予防はどうすればよい?

熱中症になりやすいかの指数や予報がある?どこで情報を確認できる?

その日に熱中症を起こしやすいかどうかを示す指標があります。「暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度))」と呼ばれる指数で、熱中症を予防する目的で1954年にアメリカで提案された指標です。熱中症の発症と大きな関係がある「湿度」「輻射熱(日光がどのくらい当たったか)」「風速」「気温」の4つの要素を総合的に判断できる指標で、熱中症の発症を予測する指針として国際的に使用されています。日本では厚労省により「暑さ指数」という名前で呼ばれています。

暑さ指数は気温と同じ摂氏(度)で表されますが、一般的な気温とは異なります。黒球温度、湿球温度、乾球温度という3つの温度を測定して計算されるため、自分で算出することはなかなか難しいのですが、インターネットにより環境省のサイト(http://www.wbgt.env.go.jp/)などで、シーズンになると確認することができます。2016年度は5月から情報提供が始まる見込みです。

熱中症の注意報と警報はどんなもの?基準は?

夏場になると各天気予報会社や自治体等から熱中症の注意報や警報が発令されることがあります。気象庁が2011年に導入した「高温注意情報」も熱中症注意報の一つで、1日の最高気温が35度以上になると予想された場合に発令され、熱中症に対する注意を呼びかけるものです。

また熱中症の起こりやすさの指標として国際的に使用されているWBGTを利用した熱中症注意報・警報もあります。近年はインターネットやスマートフォンで確認できる熱中症注意報・警報もあります。翌日や当日の準備をする際、天気予報や最高気温だけでなく熱中症注意報・警報についてもチェックする習慣をつけると良いでしょう。

熱中症の予防 水分補給はどうすればよい?

熱中症の予防には、水分とミネラルをバランス良く補給することが非常に大切です。水分だけをとり、ミネラルの補給が足りないために熱中症を起こすことも多く、「水分をとっているから大丈夫」と安易に考えるのは危険です。

熱中症予防のためには、水分を一気にとるのではなく、1時間に2、3回の頻度で100ml程度ずつ継続的に摂取することが重要です。また冷たすぎる飲料は胃腸の働きを悪くし、水分の吸収も悪くなるため出来るだけ常温の飲料を飲むようにしましょう。

どんな飲み物が良い?塩分が必要?スポーツドリンク、麦茶、水は?

熱中症の予防に最も効果的なのは0.1%から0.2%程度の食塩水とされています。熱中症では汗とともに、水分やナトリウム(塩分)が失われるため、水分と塩分の補給が重要になります。ただし現実的には適度な食塩水を準備することは難しいため、ナトリウムが40mgから80mg/100mlのスポーツドリンクや市販の経口補水液などを利用すると良いでしょう。

高齢者は喉の渇きに気がつきにくい上、お茶などを好んで飲む傾向にあるため塩分が不足する場合があります。食事の際に味噌汁を飲む、お茶を昆布茶などナトリウムを含む飲料に変えるなども高齢者の熱中症予防には効果的です。

麦茶は、ミネラルが豊富であるとの認識をされる方がいますが、熱中症予防の観点からみるとナトリウムの含有量が少ないため、麦茶だけでは熱中症予防には十分でないと言わざるをえません。ただしカフェインが入っておらず、お子さんから高齢者まで広く飲める飲料であるため一緒に適度な塩分をとりながら麦茶を飲むと良いでしょう。

市販のスポーツドリンクは糖分が多いため意外と吸収されにくく、また多量に飲むことで血糖値が上昇する心配もあります。市販のスポーツドリンクを利用する際は水で半分程度に薄めると濃度が調整されて吸収されやすくなります。

熱中症の予防対策 牛乳は良い?

近年、熱中症予防に牛乳が良いという説を見かけるようになりました。信州大学医学系研究科スポーツ医科学講座の能勢博教授が主に提唱されている方法で、息が弾むくらいのややきつめの運動をした後、30分以内にコップ1杯の牛乳を飲むことが熱中症予防につながるというものです。

熱中症では、発汗により血液の量が少なくなり、十分な量の血液が心臓に戻らなくなります。その結果、脳や肝臓、腎臓、皮膚などに十分な血液が循環しなくなり、体調が悪化します。逆に言うと、血液の量が十分に足りていると熱中症になりにくいのです。

血管の中の血液の量を決める要素は幾つかありますが、中でも重要な役割を持つのが「アルブミン」というたんぱく質です。血液中のアルブミンは、水分を血管内に引き込み、血液の量を増やしたり、維持する力を持っています。

牛乳には体に吸収・利用されやすい良質のたんぱく質が含まれており、運動後30分以内にコップ1杯の牛乳を飲むことで筋力が強くなり、また血液中のアルブミンの量が増えることで熱中症に強い体づくりをすることが可能になるとされています。

能勢教授によると、息が弾むくらいのややきつい運動を1日30分、週に4日以上行い、運動後の30分以内にコップ1杯の牛乳を飲み、このトレーニングを10日間以上続けることで効果が出てくるとのことです。

熱中症防止に帽子は良い?他にはどんなグッズが良い?

熱中症は予防が大切です。現在はあちこちで熱中症予防グッズが販売されていますが、むやみに使えばいいというものではなく、場面に合った熱中症対策が必要です。

屋外での熱中症対策:帽子や日傘で直射日光を避けましょう。水筒やペットボトルの飲料と塩分を含んだ食品(電解質のサプリメントや塩分を含んだ飴などもあります)を携帯するようにしましょう。長時間屋外にいる場合は、水をかけると放射熱で長時間体を冷やしてくれるスカーフや使い捨ての冷却シート、冷却材など体を冷やすグッズもお勧めです。

お子さんの熱中症対策:小さいお子さんは汗をかきやすく、脱水予防が何よりも大切です。水や赤ちゃん用のイオン飲料などを忘れずに持ち、少しずつ飲ませましょう。帽子をかぶせ、衣類はゆったりとして風が通るものを選びます。露出が多い衣類よりも、ゆったりとした長袖・長ズボンの方が汗を吸い取り、風が通るためかえって涼しく感じます。ベビーカーに乗る赤ちゃんは背中が特に暑くなるため、ベビーカーと背中の間に冷却材などを挟むと効果的です。

屋内の熱中症対策:クーラーをつけましょう。湿度の高い日はさほど気温が高くなくても熱中症のリスクが高くなります。除湿をかけるだけでも熱中症のリスクはぐっと低くなります。夜間寝ている間に熱中症を発症することもあります。冷却効果のある寝具にしたり、寝室は適度に風が通る環境にすると良いでしょう。また水分を準備しておき、寝る前や夜間目が覚めたときに水分を補給する癖をつけましょう。

熱中症の予防対策 良い食べ物はある?

熱中症の予防として日ごろから食事に気を付けることも大切です。バランスの良い食事をとることで体調が安定し、熱中症になりにくい身体を作ることができるのです。

たんぱく質が不足しないようにしっかりととり、適度な運動を行いましょう。筋肉が発達し血圧が安定することで熱中症になりにくくなります。

また暑い時期は過度な飲酒やカフェインの入った飲料を避けましょう。水分補給としてはノンカフェインの飲料を選び、適度な塩分の補給も忘れずに行います。

また熱中症対策として自宅で作れる経口補水液もあります。水1リットルに対し砂糖大さじ4杯と半分、塩小さじ半分を入れて混ぜます。レモン汁を1/2個分ほど入れると風味が良くなりカリウムなどの電解質も補給できるため、更に良いといえます。作ったら冷蔵庫に入れ、数日で飲み切るようにしましょう。

熱中症の予防対策 飴や梅干しは効果がある?

暑くなりそうな日、朝食や昼食などの機会に梅干しを一粒食べることは熱中症予防に効果的です。

梅干しには塩分が含まれるため、汗とともに失われるナトリウムを補給することができます。ただし塩分の取りすぎはかえって体に悪影響を与えることもあるため、1日に1粒から2粒程度にしておきましょう。

また熱中症対策用の飴も市販されています。これは通常の飴ではなく、ナトリウムを含んだ熱中症対策用の飴です。暑い日に外出する際などに効果的と言えるでしょう。表示などを確かめて購入するようにしましょう。


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熱中症の予防方法などについてご紹介しました。熱中症にならないか不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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