熱中症への対処法と治療 頭痛薬、解熱剤はNG?翌日の注意点は?お風呂はダメ?3つの基本処置とは?

  • 作成:2016/04/05

熱中症は、周りの人が突然発症することがありますので、涼しい場所に移して、体を冷やすことなど3点が重要です。市販の頭痛薬や解熱剤は、熱中症の発症メカニズムからして、ほとんど効果がないと考えられています。治療の概要や発症後の入浴の考え方など含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は6分です

熱中症になったらどうすればよい?

熱中症になった際の3つの基本的な処置

熱中症の対処法の基本は1.涼しい場所に移動し安静2.身体の冷却3.水分・ミネラルの補給です。

1.涼しい場所への移動と安静:熱中症は高温・多湿の環境下で起こる事が非常に多い病気です。軽症でも熱中症を疑った場合はすぐに適度に風がある涼しい場所に移動し、横になる、もしくは横にして安静にします。

2.身体の冷却:体温が上昇している場合は衣類をゆるめて風が入るようにします。また冷たいタオルや氷などを首、脇の下、足の付け根など太い血管のある場所にあてて。身体全体を冷却します。タオルの場合はこまめに取り替えないと逆に熱がこもってしまい、かえって体温を上昇させてしまう恐れがあるため注意しましょう。

3.水分・ミネラルの補給:炎天下の作業やスポーツ中に起こる若い人の熱中症は、水分を補給しているにも関わらず発症する例が多く、これは水分のみを補給してナトリウムなどのミネラルを補給していないために起こっているケースがあると考えられています。水分補給の際はカフェインの入った飲料を避け、水500mlに対し小さじ1/4程度の食塩をとるなど。ナトリウムの補給にも気を配りましょう。市販の経口補水液やスポーツドリンクも非常に効果的です。

3つの基本的な処置をしても、熱中症の症状が改善しない場合は、医療機関を受診し治療を受ける必要があります。元気そうでも後から体調が悪化するケースもあるため注意しましょう。

めまい、嘔吐、頭痛、けいれんには注意

上記3つ以外にも、注意する点があります。主なものは、以下の通りです。

・めまいや立ちくらみ:脱水や血管の拡張により、血圧が低下している状態です。横になって足を高く上げて安静にすることで症状が改善しやすくなります。

・吐き気、嘔吐:仰向けに寝かせると吐物で窒息する危険性があるため、横向きに寝かせるか、顔を横に向けます。吐きたい場合は我慢せずに吐いた方が良いでしょう。においなどで、さらに気分が悪くなるため、吐いたものは速やかに片付けるようにします。吐いた後は口をすすぎ、冷たい水を少しずつ飲みましょう。

・頭痛:頭を動かさないように静かに寝かせます。額や首の後ろを冷やすと良いでしょう。頭痛には吐き気や嘔吐を伴うことが多いため、吐き気がないか気をつけて、見守る必要があります。

・意識障害、けいれん:ただちに救急車を呼びます。その上で安静、身体の冷却、水分補給のうち、対処可能な処置を実施してください。

熱中症の治療 点滴を使う?

熱中症の治療では点滴を使用する場合があります。点滴は特にぐったりしていたり、吐き気・嘔吐などのため、口から水分を飲めない場合に行われます。また脱水状態に弱い子供や高齢者も点滴を行う場合が多いです。点滴をすることで身体に効率よく水分やミネラル等を補給することができるため、熱中症の症状が早く改善される効果があります。

熱中症を発症した当日の点滴で十分に症状が改善しない場合、数日間外来に通って点滴を受ける場合があります。また、高齢者や乳幼児、重症の患者などは入院した上で、点滴による治療を受ける場合もあります。

熱中症で薬を使う?

熱中症により病院で治療を受ける場合、基本的には飲み薬ではなく点滴による治療がメインとなります。ただ、頭痛や嘔吐、吐き気が強い場合などは症状に応じて鎮痛剤、吐き気止めなどが処方される場合があります。

また小さい子供では経口補水液が処方されることもあります。これは「飲む点滴」のようなもので、粉状の薬を一定量の水に溶いて飲むことで効率的に水分と電解質を補給することができます。

熱中症の治療の基本は体温を下げることと、失った水分・電解質の補給です。吐き気や頭痛がある場合は、市販薬で様子をみることなく、すぐに病院を受診することが大切です。

熱中症の時、頭痛薬や解熱剤を飲んでよい?ダメ?

熱中症では体温が上昇したり、頭痛がみられる場合があります。このときに市販の頭痛薬や解熱剤を飲んでも実はほとんど効果がありません。

熱中症の体温上昇は発熱ではなく、周囲の温度が高いために起こる体温上昇であり、解熱剤は効果がありません。また熱中症の頭痛は、体温の上昇の結果として起こる頭部の血管の拡張によるものですが、このタイプの頭痛は一般的な頭痛薬が効きにくいタイプであり、ほとんど効果がないと考えられます。

熱中症の症状を改善するためには、上昇した体温を下げ、発汗によって失われた水分と電解質を補給しなければならず、市販の内服薬だけで症状が改善することはありません。

逆に頭痛薬や解熱剤を飲んで経過をみることで、時間が経ってしまい、その間にどんどん症状が悪化してしまったり、薬が胃を刺激することで吐き気や嘔吐が誘発され、かえって具合が悪くなる場合もあり危険です。熱中症が疑われる場合には薬の内服だけで様子をみることは絶対に避けましょう。

熱中症になった翌日の過ごし方の注意点

熱中症の場合、「発症した当日だけ具合が悪く、きちんと休めば翌日からは普段通り元気になると」考えている方が多いのですが、実は翌日以降も体調不良が残る方が大半を占めるのです。

熱中症の程度にもよりますが、熱中症の多くは身体の中が脱水状態になっており、全身の筋肉や肝臓、腎臓などがダメージを受けます。入院しない程度の熱中症であれば肝臓、腎臓などの臓器の障害は一時的なものですぐに回復する場合がほとんどですが、筋肉は脱水の影響を受けやすいため、軽症の熱中症でも翌日以降もなんとなく身体がだるい、力が入りにくいといった症状が残ります。

これらの熱中症の後遺症は水分とミネラルをきちんととり、安静にすることで次第に回復していきます。そのため、熱中症になった翌日以降、体調が回復するまでは水分とミネラルを積極的に補給しましょう。カフェインやアルコールの入った飲料は身体から水分を外に出してしまう働きがあるため、避けたほうが良いです。筋肉のダメージを回復させるため、肉体労働やスポーツは避けましょう。

また熱中症になった翌日は身体がまだ脱水状態にある可能性があり、立ちくらみやめまいが起こりやすくなることも特徴的です。急に立ち上がらず、気をつけながらゆっくりと動作を行いましょう。長時間のお風呂は立ちくらみを誘発しやすくなるため、入浴は短時間にとどめた方が安全です。また睡眠を十分にとり、体調が完全に回復したと感じるまではしっかりと身体を休めることも非常に大切です。

熱中症になったとき、お風呂は入ってよい?

熱中症になった日や翌日はお風呂を控えるか、短時間で済ませた方が安全と考えられます。これは熱中症により身体が脱水の影響を受けていると考えられるためです。お風呂に入ると一般に血管が拡張し血圧が低下するのですが、脱水状態の場合は血圧低下の反応が強く出るため血圧が普段よりも急激に下がり、めまいや立ちくらみ、失神などの症状が現れやすい傾向があります。

そのため、熱中症の当日や翌日は入浴後に立ちくらみやめまい、失神などの症状を起こす可能性が非常に高くなっています。入浴は禁止ではありませんが上記の症状が起こりやすいことに注意して入りましょう。暑すぎるお湯や長時間の入浴は立ちくらみや失神などを起こしやすくするため、ぬるめのお湯に短時間で入浴すると比較的安全です。お風呂の前後にしっかりと水分を補給することも忘れずに行いましょう。


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熱中症の対応方法や治療についてご紹介しました。熱中症にならないか不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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