妊娠初期の薬 風邪薬、目薬、抗生物質はダメ?ピルは影響する?バファリン、ロキソニン、葛根湯はどう考える?

  • 作成:2016/07/20

「妊娠中に飲んではいけない薬がある」というおおまかな理解をされている方は少なくないと思いますが、具体的な風邪薬や目薬の使用に問題があるかを理解している人は多くないのではないでしょうか。ピルやインフルエンザ関連の薬も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

平松晋介 監修
ちくご・ひらまつ産婦人科医院 院長
平松晋介 先生

この記事の目安時間は3分です

妊娠初期に飲んではいけない薬とは?

妊娠初期に気をつけるべき薬とは?

妊娠中に薬の服用には気をつけるべきなのは知られていますが、特に妊娠2カ月までの妊娠初期は、薬の「催奇形性(赤ちゃんが奇形になるリスク)」が高い時期だと言われています。使用上の注意に「妊娠中の服用は避けるように」とある薬は少なくありません。薬品の妊娠中の使用については、明らかに異常を引き起こすために使用しては行けない「禁忌薬(きんきやく)」と、妊娠中の使用による安全性が確認されていないために使用を控えた方が良い「使用回避薬」があります。市販薬、医療用医薬品を含めて、禁忌薬は少なく、ほとんどが使用回避とされています。基本的には内服薬・外用薬問わず、薬の使用には説明書をよく読み、薬剤師や医師に相談するようにしてください。ただ、市販薬の多くは大きな副作用が出る可能性が小さく、「妊娠に気づかず1回だけ飲んでしまった」程度であれば、それほど神経質になる必要はありません。心配でしたら、医師に相談してみてください。

バファリンや葛根湯はOK?

頭痛薬として有名なバファリンやロキソニンは、「出産予定日12週以内の妊婦は服用しないでください」とあります。その期間に服用すると、胎児に影響を与える事が確認されており、必要な場合には医師に相談する事をお勧めします。風邪薬には多くの種類がありますが、どれも服用には際して、注意を促す文書があります。いずれも用法・用量を守っている限りは問題ありませんが、自己判断は避けて医師に相談するほうが無難です。

葛根湯は妊娠中でも安心して飲める薬です。葛根湯は、生薬をブレンドした漢方薬で、効き目が穏やかで副作用が少ないのが特徴です。病院でも葛根湯は自己判断で服用してOKとしているところが多いようです。ただし発熱・発汗を促す作用があるので、妊娠初期で体調が悪い時に使用すると、まれに食欲不振や吐き気、発汗過多になることがあるので、様子を見ながら服用してください。ただし、漢方薬が全て妊娠中に服用しても安全という訳ではありません。市販されている物を含めて、一部の生薬は流産や早産を引き起こす作用を持つ物がありますので、専門医に相談して使用される事をお勧めします。

目薬も要注意

目薬も薬の一種ですから、妊娠初期での使用には注意が必要です。ただし、量が極めて少ないので、身体の影響は非常に低いとされており、目薬による奇形は今までに報告がありません。内服薬と違って部分的に使用するものですが、極めて吸収が早いため、大量を長期間にわたり使用すると、影響が出る事も考えられます。「プラノプロフェン」や「ステロイド」が含まれる目薬は妊娠中には使用しないよう呼びかけられています。

抗生物質は妊娠初期には危険?

抗生物質は感染症の原因となる細菌に効く薬です。種類によっては注意が必要ですが、妊娠している事を告知した上で病院で処方される抗生物質であれば、妊娠中でも問題ありません。

抗生物質にはさまざまな種類があり、「ペニシリン系」や「セフェム系」、「マクロライド系」と呼ばれるものは妊娠初期でも使用できます。たとえば広範囲の感染症に効果がある「アンピシリン」はよく知られています。一方、「キノロン系」の抗生物質は妊婦使用禁止となっています。奇形の症例はありませんが、高用量の使用は胎児の発育や骨格の異常が心配されるとのことです。

市販されている抗生物質は塗り薬のみで、内服薬は売られていません。軟膏等の薬品成分も皮膚から急速に吸収されますので、影響は考えられますが、通常は内服薬より少量である事から問題はないとされています。ただ、大量を長期間使用すると影響は無視できない可能性もあります。

ピルは妊娠初期の人に悪影響はあるの?

妊娠に気づかず経口避妊薬(ピル)を服用してしまった場合、影響はあるのでしょうか?一般的に避妊用で使われている低用量ピルの場合、通常の用量であれば心配する必要はありません。妊娠が分かったらすぐに服用を中止し、念のため医師に報告してください。

気をつけなければいけないのは、ホルモン量の多い高用量ピル・中用量ピルを長期間服用した場合です。妊娠初期や中期に大量に投与すると、子供の生殖器に異常がみられることがあります。ただし、これらのピルは治療用に使われる物で、通常避妊用に使われることはなく、医師の指示のもとの服用となります。妊娠発覚前から通院しているようであれば、医師に相談してみるとよいでしょう。

低用量含めピルは妊娠禁忌(きんき)薬なので、1回でも間違って飲んでしまうと胎児に影響があると誤解されがちですが、禁忌薬だからといって危険性が高いわけではありません。合成されたホルモンが、妊娠中に長期にわたり投与されると胎児への影響が考えられるため、「禁忌」という扱いになっています。

妊娠初期にインフルエンザ予防接種は可?

妊娠中にインフルエンザの予防接種を受けることに問題はありません。むしろ、日本産婦人科学会では接種が推奨されています。日本で使用されているインフルエンザワクチンは妊婦への安全性・有効性が確認されたもので、妊娠初期に接種しても奇形などのリスクはないという研究結果が出ています。

ただし、卵アレルギーのある人は注意が必要です。なお、インフルエンザの予防接種によってアナフィラキシー発作を起こす人は100万人当たり2人から3人です。卵アレルギーのある人はワクチンを接種せず、発症したらタミフルなどの抗インフルエンザ薬を使用して対応するようにします。

インフルエンザワクチンには、バイアル(瓶)に入った複数人用のものと、一人用のシリンジに入った物があります。バイアルで共有されている物には、チメロサールという防腐剤が入っています。ごく微量の無機水銀剤ですので影響は無いですが、気にされる方は医師と相談し、少し高価ですがシリンジタイプの物を打ってもらうことも可能です。

タミフルやリレンザといったインフルエンザの治療薬も、胎児への影響がないことが確認されています。もちろんどんな薬にもリスクはつきものですが、インフルエンザが重症化しやすい妊娠中に予防や治療をしないリスクの方が高いと思われるので、予防接種や治療薬は積極的に取り入れるようにしましょう。

妊娠中の薬の考え方についてご紹介しました。妊娠しているが飲んで良い薬がわからずに、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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