尿毒症の原因、症状、治療、予防 腎臓病や妊娠との関係は?

  • 作成:2016/04/04

尿毒症は、腎臓の機能低下にともなって、体に毒素がたまって出る症状の総称です。放置すると死にいたる可能性があります。尿毒症の原因や症状、治療、妊娠が契機になる可能性などを含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

尿毒症ってどんなもの?

尿毒症は腎臓の機能低下による全身の不調

尿毒症は、腎臓の病気の進行により腎臓の働きが著しく低下した腎不全の状態が続き、体内に老廃物がたまってしまうために全身に症状が現れる状態です。

早期の段階では、だるさ、吐き気、食欲不振、頭痛、集中力低下などが現れます。さらに放置し続けると、全身に重い症状がみられ、死に至ることも珍しくありません。気になる症状がある場合は早急に腎臓内科を受診しましょう。近くに腎臓内科がない場合は一般内科を受診し、必要に応じて腎臓内科を紹介してもらいましょう。

尿毒症の主な症状

眼:視力障害、眼底出血など
口:尿のような臭い、歯肉からの出血、味覚異常、金属のような味がするなど
顔:貧血様など
心臓:心肥大、心不全、心膜炎(しんまくえん)、動悸、高血圧など
肺:咳、息苦しい、肺水腫、胸水など
血液:貧血、尿素窒素・クレアチニン・カリウム上昇など
腎臓:尿量減少など
胃腸:食欲不振、吐き気、嘔吐(おうち)、下痢、潰瘍など
皮膚:皮下の出血、むくみ、色素沈着、かゆみなど
脳・神経:感覚の異常、イライラ感、不眠、頭痛、意識障害、けいれんなど
骨関連:低カルシウム血症、高リン血症、骨病変

尿毒症は腎不全と関係

尿毒症の主な原因は、腎臓の病気によって腎臓の機能が著しく低下するためです。腎臓は、機能が正常な状態の15%未満にまで低下すると「腎不全」という状態になります。

腎不全は、数日から数週間で腎臓機能が急低下する「急性腎不全」と、長期間にわたって徐々に腎機能が低下する「慢性腎不全」に分けられます。

急性腎不全の場合は、症状には個人差があるものの、すでに尿毒症を起こしている可能性もあります。また、慢性腎不全が続いて末期状態になった場合も、全身に症状が現れて尿毒症の状態になります。急性腎不全になると、腎臓機能に異常が起こってから24時間の尿量が400cc以下になる「乏尿(ぼうみょう)」または100cc以下になる「無尿」の状態になります。

腎不全患者さんは、必ず尿毒症であるとは限りませんが、腎不全の状態が続くとやがて尿毒症を発症します。また、尿毒症を発症していると、腎不全の状態であるといえます。

尿毒症の治療法

尿毒症の治療は、食事療法、薬物療法、血液浄化療法の3つが基本です。食事療法は、症状を抑えたり、腎機能低下の進行を遅らせたりするのに有効な治療法です。タンパク質や塩分、カリウム、リン、水分の摂り過ぎは、腎臓に負担がかかり症状を悪化させる原因となるため、医師の指示に従って摂取を抑えながらも、必要なカロリーを摂ることが大切です。

薬物療法では、体内の水分やナトリウムを調整するために尿を出やすく利尿薬や、血圧を下げる降圧薬などを使用します。また、腎臓病の進行を抑えるために、貧血を改善する働きの「エリスロポエチン製剤」という種類の薬や漢方薬などを使用することもあります。また、慢性的に腎不全の状態が続き、回復の見込みがない場合は、人工透析や腎臓移植が必要になる場合もあります。

ただし、尿毒症の治療は、尿毒症の症状を抑えるとともに、腎機能の低下を抑制するための対処療法にすぎず、治療を行っても腎機能が回復することはありません。

尿毒症の予防法と再発の可能性

尿毒症を予防するためには、腎臓病が進行しないようにすることが大切です。糖尿病、高血圧、痛風、妊娠高血圧症候群などの病気は、合併症として腎機能低下が現れることがあります。腎機能低下の症状が進行すると、慢性腎不全になり、やがて尿毒症を発症します。したがって、妊娠が契機となって、尿毒症まで進んでしまう可能性があるということです。現在、糖尿病、高血圧などを発症している場合は、定期的に検査を行い、腎臓に合併症がみられる場合は、すぐに治療を始めることが必要です。また、腎機能の低下は尿毒症の再発につながるため、腎臓病の進行を抑えることは、尿毒症の再発防止のためにも重要です。

なお、腎臓病患者さんは、塩分、タンパク質などの制限が必要であることが多いですが、からだの機能を維持するために必要な量は摂ることが必要です。ただし、摂取量の目安は患者さんの状態によって違うため、医師に相談しながら、自分に適した摂取量を超えないように調整するようにしましょう。

尿毒症の原因や症状についてご紹介しました。腎臓の機能に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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