帝王切開の費用、入院期間、出産にかかる時間 保険適用になる?

  • 作成:2016/05/02

帝王切開は、自然分娩と違って、「医療」の扱いになるため、保険適用となります。どのくらいの自己負担になるのかや、入院期間、出産にかかる時間を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

近藤恒正 監修
落合病院 副院長
近藤恒正 先生

この記事の目安時間は3分です

帝王切開はいくらくらいかかる?

通常のお産は保険適用にならない

通常のお産(「自然分娩」と言います)は病気や怪我ではないため、健康保険の対象とはなりません。また、ほとんどの場合、民間の医療保険からの給付金も得られません。つまり、自然分娩の場合、出産にかかる費用の全額を自費で支払うことになります。自然分娩の場合の入院日数は出産日を入れて5日から6日程度であり、出産費用の平均は45万円前後です。なお、出産費用は病院や部屋の種類により異なり、30万円から70万円程度と開きがあります。出産費用に加えて、妊娠期間中の妊婦検診の費用として10万円程度、さらにマタニティ用品や赤ちゃん用品の費用も必要となります。

では、これらの費用の全てを自分で負担しなければならないのかというと、そのようなことはありません。お母さんが出産した場合は、「出産育児一時金」という制度を利用することができます。対象は健康保険・国民健康保険の被保険者または被扶養者であり、出産した翌日から2年以内に申請すれば、1児ごとに42万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関で出産した場合は40.4万円)が支給されます。また、産休や育休に対しては、出産手当金や育児休業給付金が支給されます。出産や育児にかかる経済的負担を軽減するためにも、これらをうまく活用しましょう。

帝王切開の費用はいくらくらい?保険適用になる?

帝王切開による出産は、健康保険の対象となる点が自然分娩と大きく異なるところです。2014年診療報酬点数表(国が出している医療機関の収入を示した表)によると、帝王切開の手術代は予定帝王切開、緊急帝王切開いずれの場合も20万1400円です。「前置胎盤(胎盤が子宮の出口を覆っている状態)」や32週未満の早産の場合は21万6400円です。このうちの3割が自己負担分になります。

しかし、出産費用の全額が健康保険の対象となるのではなく、対象になるのは手術代および手術に関する検査や薬の費用などです。部屋代や食事代、分娩介助料などは自己診療費用分となります。また、帝王切開の場合は、自然分娩の場合と比較してお母さんの回復までに時間がかかるため、入院期間も長くなります。そのため、自然分娩の場合よりも必要な費用は高くなる傾向にあります。

帝王切開の場合も、病院や部屋、処置により必要な費用には開きがあり、40万から100万円程度となっています。なお、健康保険が適応される部分については、支払う金額を自己負担限度額までにとどめることができる高額療養費制度を利用することができます。また、民間の医療保険に加入していれば、給付金の支給を受けられる場合もあります。さらに、医療費控除として確定申告すると、税金が還付される場合があります。

帝王切開の場合、時間はどのくらいかかる?入院期間はどれくらい?

予定帝王切開の場合、手術が行われる日の前日から入院します。診察や検査により赤ちゃんとお母さんの状態の確認が行われるとともに、手術に関する注意事項の説明がなされます。検査結果などに問題がなければ手術となります。手術当日は手術着に着替えて入室し、手術前に麻酔をします。局所麻酔の場合、麻酔が効くまでに10分程度の時間がかかることもあります。手術が始まると、お腹を切ってから5分から10分程度で赤ちゃんが取り出されます。その後、子宮内の羊水や胎盤が除かれ、切開された傷を縫合して手術は終了です。

手術にかかる時間は、一般的に40分程度であり、麻酔や術後のケアなども含めると、手術室にいる時間は約1時間、長くても2時間程度です。入院期間は、手術後の身体の状態により異なりますが、手術後6日から14日程度が一般的です。ただし、胎盤が正常より低い位置で子宮壁に付着し、子宮の出口付近に存在する「前置胎盤」と呼ばれるケースで帝王切開の適応となった場合は、手術の日よりかなり前から入院しなければならないこともあります。

帝王切開に夫らの立ち会いはできる?

出産に夫や家族の立ち会いが可能かどうかは、病院により異なります。自然分娩の場合は立ち会いが可能な場合が多いのですが、帝王切開の場合は立ち会い不可能であるところも少なくありません。その理由は、帝王切開が手術であるという点に集約されます。まず、帝王切開では立ち会う人も手術室に入る必要があります。手術室は清潔操作の徹底や衛生面への配慮が必要な場所であるため、一般の人が入ることに対する病院側の抵抗や懸念があります。また、お母さんのお腹を切り、赤ちゃんが出てくるという場面に、良くない意味で衝撃を受けてしまう人もいます。しかし、手術に対する不安を抱える中で、立ち会う人がそばにいることでお母さんの不安が軽減されたり、赤ちゃんが生まれたときの喜びを共に分かち合えるというメリットもあります。そのため、帝王切開での立ち会い出産が可能かどうかに関して、あるいはそれをご自身が希望するかどうかということに関しては、このようなメリットやデメリットをよく踏まえた上で、立ち会う人や病院側とよく相談して決めましょう。

帝王切開の費用や入院期間などについてご紹介しました。出産に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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