在宅医療とは?訪問診療と往診との違いは?問題点は何?誰でも受けられる?国はなぜ推進している?

  • 作成:2016/02/04

在宅医療という言葉を最近よく聞きますが、「訪問診療」と「往診」の違いなど、知っている方は多くないのではないでしょうか。訪問診療と往診では、医師の訪れる頻度が違います。在宅医療の問題点なども含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。

この記事の目安時間は3分です

学ぶ女性

在宅医療とは何か?訪問診療と往診の違いは?

医療は受ける場所により、以下の3つに分かれます。
(1)外来医療:病院や診療所の外来で受ける医療
(2)入院医療:入院して受ける医療
(3)在宅医療:患者さんの居宅などで受ける医療

在宅医療は更に訪問診療と往診の2つに分けられます。この訪問診療と往診はしばしば混同される場合がありますが、意味合いが異なります。訪問診療とは、「定期的、計画的に行われる在宅医療」のことを指します。多くは月に2回から4回程度の頻度で、計画的に医師が患者の方の自宅等を訪問し、診察や検査、投薬、療養上の指導などを行います。

対して往診は患者様の急な体調不良や病状変化の際に、患者の方やご家族からの要請に応じて、臨時的に行われる不定期な在宅医療のことを指します。また訪問診療と往診では言葉の意味だけではなく、医療保険上の報酬も異なるなどの違いがあります。

在宅医療はだれでも受けられる?

在宅医療の対象とされているのは、「居宅(自宅や施設など)で療養を行っており、病気や心身の障害のために通院が困難な方」とされています。決まった年齢や特定の病気でないと受けられないなどという事はなく、在宅医療が受けられるかどうかは主治医の判断に任されていますが、基本的には自力で近隣の医療機関に通院可能な方は対象となりません。

また病状が重く、病院でないと受けられない検査や治療を必要とする方、手術などの積極的な治療を希望される方も在宅医療には向いていません。治療が一段落している方、長期の療養が必要な方、また悪性腫瘍の終末期などで治癒が望めない方などが主な対象となります。

在宅医療を国がすすめているのはなぜ?

近年在宅医療が推進されている理由については、大きく2つの側面があります。第一に、慢性(症状が長く続く)の病気や療養中、または人生の最後を自宅で過ごしたいという方が増えていること、第2に日本の医療費の抑制のためです。

50年ほど前まで、日本人の8割が自宅で亡くなっていました。現在では逆に8割の方が病院で亡くなっています。そのような状況の中で、多くの方が人生の最後を住み慣れた自宅で迎えたいと希望するようになりました。また病院側としても、治療の手段がない場合、「最後の時間を病院で過ごすよりも自宅で過ごすことがより望ましい」という認識に変わりつつあることなどから、患者側と病院側双方の要望として在宅医療が進められています。また慢性の病気の場合、継続した治療が必要だが体調は安定しており、入院までは必要ないということがしばしばあります。このような場合に在宅医療が選択されるケースもあります。

医療費の面から考えると、日本では少子高齢化が進み、医療費が増大して、国の財政を圧迫していることが問題となっています。在宅医療は入院と比べて医療費がかからない傾向にあるため、国として長期間の入院を少なくし、なるべく自宅で療養生活を送ってもらうよう在宅医療を進めているのです。

在宅医療の現状の問題点

国が在宅医療を進めているにも関わらず、現在は在宅医療はあまり普及しているとは言えない状況です。理由はいくつかあります。

第一に考えられるのは、在宅医療を行うことが出来る医療機関の不足です。在宅医療では、患者さんの急変などの際に医師や看護師が24時間体制で対応する必要があります。そのためには複数の医師や看護師がチームとなって動く必要があり、医療スタッフの少ない地方都市や、医師、看護師の数が少ない個人の開業医などでは対応しにくいと考えられます。この「365日24時間で対応できる医療機関」の不足は、在宅医療が普及しにくくなっている大きな要因と考えられています。

また在宅医療は入院よりも費用がかからないということは、病院側からみると収入が少ないということになります。特に在宅医療は、医療スタッフの移動などで時間がかかるため1日に診療出来る人数に限りがあり、悪天候や交通状況に左右されるなどの特徴があります。労力が多い割に診療報酬がさほど高くない(病院の収入が少ない)在宅医療は病院経営の面から問題があると考えられる場合があるのです。

家族の側には、緊急時の不安や介護疲れの問題があります。患者さんが急に具合が悪くなったときにどのように対応したら良いか、どのタイミングで病院に連絡したら良いかなど、介護を担う家族は様々な判断を迫られ、その負担は軽いとは言えません。また、「具合が悪くなって緊急入院、良くなったら退院して在宅医療・・・」を繰り返していると、どうしても家族に不安や疲労が強くなり、病院にずっといて欲しいと望むようになる場合が多くあります。こ介護を担う側の負担をどのように軽減していくか、という問題が解決されないため、本当は在宅医療を希望する場合が多いにも関わらず、実際には在宅医療が進みにくいという現実があるのです。


【関連の他の記事】

訪問看護とは?訪問診療との違いは何?料金は?保険適用になる?


在宅医療の問題点などについてご紹介しました。在宅医療に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

関連するQ&A

症状や健康のお悩みについて
医師に直接相談できます

  • 24時間受付
  • 医師回答率99%以上

病気・症状名から記事を探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

今すぐ医師に
質問できます

Q回答している人は誰ですか?
5,800人以上の各診療科の現役医師です。アスクドクターズは、健康の悩みに現役医師がリアルタイムに回答するサービス。20万人以上の医師が登録する国内最大級の医師向けサイト「m3.com」を運営するエムスリー(東証一部上場)が運営しています。
Q登録後すぐに質問できますか?
質問の閲覧と相談は登録後すぐにご利用可能です。