腎盂腎炎(腎盂炎)の原因、症状、治療 入院は必要?性行為でなる?感染経路、診療科、子供・妊婦のリスクも解説

  • 作成:2015/12/28

腎盂腎炎(腎盂炎)は20歳代から30歳代の女性や高齢の男性がなりやすい病気です。発熱や背中側の痛み(背部痛)などが特徴的で、抗生剤を使って治療をしますが、重症化などに備えて入院による治療となるのが一般的です。重症化すると致命的な病気を伴う可能性があり、性行為や生理が関係してくる部分もあります。腎盂腎炎の原因、症状、治療まで幅広く、専門の医師の監修記事で、わかりやすくご紹介します。

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腎盂腎炎の原因、症状、治療を知ろう

目次

そもそも「腎盂腎炎」と「腎盂炎」は同じ?

腎臓はいくつかの構造に分けることができます。尿をつくる部分のことを「腎実質(じんじっしつ)」といいます。腎実質でつくられた尿が集まるのが「腎盂(じんう)」という部分です。腎盂は「尿管」とつながっています。腎盂に集まった尿は、尿管を通って膀胱(ぼうこう)へと送られ体外へ排出されます。

「腎盂炎」は、腎臓の中でも腎盂に炎症を起こす病気です。これに対し「腎盂腎炎」は、腎臓全体に炎症が起こっていることを指します。

腎盂炎も、腎盂腎炎と同様に大腸菌や緑膿菌が原因で、尿道に入り込んだ菌が腎臓に入って発症する場合がほとんどです。

腎盂炎を起こすと感染は腎臓全体に広がることが多く、その結果として腎盂腎炎にいたります。厳密にいえば、同じでものではありませんが、原因や治療はほとんど共通しています。

腎盂腎炎の5種類

腎盂腎炎には、以下のような種類があります。

【急性腎盂腎炎】
腎盂腎炎の中でも、発熱、腰痛、悪寒などの症状が急激に表れるものを指します。20歳から30歳代の若い女性や、免疫力が低下している方、前立腺肥大症や尿路結石などの疾患がある方に起こりやすいと言われています。

【慢性腎盂腎炎】
急性腎盂腎炎を繰り返し、慢性化しているものを指します。感染を繰り返すと抗生剤に耐性をもつ(効かない)菌が多くなり、大腸菌以外の細菌が同時に感染する可能性もあり症状が長引きます。慢性腎盂腎炎を何度も起こすと腎機能の低下を引き起こし、結果的に腎不全(腎臓の機能がダメなること)に進行することがあります。尿路に他の疾患がある場合、慢性腎盂腎炎になりやすいと言われています。

【単純性腎盂腎炎】
特に他の尿路の疾患がない腎盂腎炎のことです。大腸菌などの細菌感染が原因のことが多く、若い女性の腎盂腎炎は、ほとんど単純性腎盂腎炎に分類されます。

【複雑性腎盂腎炎】
尿路に他の疾患があるため、細菌感染を起こし、腎盂腎炎になっていることを指します。難治性の腎盂腎炎になりやすく、高齢男性に多いと言われています。

【黄色肉芽腫性腎盂腎炎】
ほとんどの黄色肉芽腫性腎盂腎炎は、腎結石が原因で発症すると言われています。まれな種類の慢性腎盂腎炎ですが、繰り返すため、重度の腎機能障害や腎膿瘍(じんのうよう、腎臓にできる膿の塊)を伴う可能性が高いです。抗生剤による治療、場合によっては手術によって腎臓を摘出することもあります。

感染経路は主に3つ 原因は菌の侵入など

腎臓は腰のあたりに2つ存在する臓器で、食事や飲み物として摂取した水分や代謝の後に作られる老廃物を尿と共に排出する役割があります。前述しましたが、腎臓は「腎盂(じんう)」「腎杯(じんぱい)」「髄質(ずいしつ)」という部分に分かれており、これらの部分に細菌感染している病気のことを「腎盂腎炎」と呼びます。

腎盂腎炎の原因は「上行性(じょうこうせい)感染」「リンパ行性感染」「血行性感染」に分けられます。

上行性感染では、尿道を介して細菌が侵入し、膀胱、尿管を逆行して進み、腎臓に達して炎症を起こします。リンパ行性感染は、膀胱や尿管、腎臓周囲のリンパ腺を介して、細菌感染を起こすことです。

血行性感染では、体の別の部分で繁殖した細菌が、血液を通じて腎臓に達し炎症を起こします。「上行性感染」が腎盂腎炎の原因のほとんどを占め、その割合は95%とも言われています。

性行為やストレスが原因となることも

腎盂腎炎は男性よりも女性に多く発生する傾向があります。その理由は、女性の方が、大腸菌などが存在する肛門と尿道の距離が近いこと、尿道が短いことなどが挙げられます。

また生理や性交で、陰部が不衛生になったり、妊娠による子宮の増大で尿管が圧迫されて尿の流れが悪くなることもあるため、女性の方が腎盂腎炎を発症しやすいと考えられています。

膀胱や尿管は、正常の時には無菌です。健康な状態の時には少し尿道から細菌が入ったとしても、尿で洗い流すことができれば、腎盂腎炎を引き起こすことはないですが、尿が流れにくい原因がある場合や抵抗力が落ちている状態では感染しやすくなります。

尿が流れにくい原因として考えられるのは、以下のようなものがあります。

・腎盂や尿管の形態異常(形の異常)
・尿路結石
・悪性腫瘍(がん)
・膀胱尿管逆流現象
・神経因性膀胱
・前立腺肥大症
・妊娠

抵抗力が落ちている状態は、ストレスや疲労、糖尿病、抗がん剤やステロイド治療などにより起こります。

女性の場合には、月経中や性行為でも細菌が尿道から入りやすいので注意しなければいけません。具体的には、排尿後はトイレットペーパーで前からふろに拭くようにする、生理中や性行為前後には必ずシャワーを浴びるようにするなどの対策をすると良いです。

なお、周囲に感染する病気や、季節によって流行する病気、遺伝と関係する病気ではありません。

原因となる菌の種類は?

病院で腎盂腎炎と診断されると、治療するだけでなく、背景にある原因となる病気を詳細に調べ腎盂腎炎の再発を起こさないように対策をします。例えば、前立腺肥大症が原因と考えられた場合には、手術を検討します。

腎盂腎炎の原因菌は、大腸菌、緑膿菌(りょくのうきん)、腸球菌(ちょうきゅうきん)などの菌が多いですが、結核菌や真菌、ウィルスなども原因となることがあります。腸の中に常にいる大腸菌は、原因の90%を占めます。

この結果からも、尿道から大腸菌が逆流して感染を起こさないように、陰部の清潔を保つことの大切さがわかると思います。

一方で、皮膚の感染はブドウ球菌によるものが多いので、血流を介した「血行性感染」により腎盂腎炎を起こすと尿中からブドウ球菌が検出されます。血行性感染が疑われる場合には、腎盂腎炎だけでなく、ブドウ球菌が繁殖している元の部分の感染も改善させないと再発する恐れがあります。

腎盂腎炎の感染が長期化することを「慢性腎盂腎炎」と呼びますが、この場合、背景に尿管結石や腫瘍、膀胱尿管逆流などの原因となる別の病気があることが多いです。

しかし、感染が長期化すると腎臓に傷がついてしまい、将来腎機能低下の原因になることがあります。

治療は、急性・慢性腎盂腎炎のどちらの場合でも、抗菌薬を使って、細菌が尿中から検出されなくなるまで行います。

腎盂腎炎と膀胱炎の関係

腎盂腎炎が「上行性感染」(性器からはいって、腎臓まで登ってくる感染)する際は、菌が膀胱を通ることになります。膀胱に細菌が感染して炎症を起こす病気が「膀胱炎」です。大腸菌などが原因で、たいてい尿の通り道である「尿道」から感染します。

腎臓は、膀胱と尿管でつながっています。そのため膀胱炎になると、尿管を伝って菌が腎臓に感染してしまい、腎盂腎炎を起こすことがあります。

膀胱炎は成人の女性に多い病気です。尿をするときに痛みを感じる、頻繁に尿意をもよおす、尿が濁るなどの症状が見られます。性行為に伴って発症することも多く、また寒さや疲れなどのストレスも発症の要因になりますから、日ごろから体調管理に努めるようにしましょう。


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背部痛、尿の混濁などが特徴的症状 頭痛も起きる

腎盂腎炎の症状では、発熱、背部痛(背中側の痛み)、頭痛、倦怠感、悪寒、尿の混濁(にごること)などが見られることが多いです。特に発熱、背部痛、尿の混濁は腎盂腎炎に特徴的です。

背中側に位置している腎臓に細菌が感染しているので、背部痛が起きると考えられています。腎臓は通常では無菌状態のため、感染した場合にはすぐに発熱します。抗生剤による治療が必要なので、病院に行く必要があります。発熱、背部痛、倦怠感、悪寒などの症状がある場合には、なるべく早めに病院に行きましょう。

腎盂腎炎で血尿が出る?メカニズムは?

「血尿」とは、腎臓や尿路から出血して、多くの赤血球が尿に混じったものです。原因としては尿を作り出す「糸球体」とよばれる部分や、尿路に生じた異常が考えられます。

腎盂腎炎で血尿が出ることもあります。原因としては、腎臓の「尿細管」とよばれる細い管に炎症が起きていることが原因だと考えられます。尿細管は水や電解質の再吸収や分泌を行う器官で、障害があると酸や塩基のバランスの異常や、カリウムやナトリウムなどの電解質のバランスが崩れてしまいます。

血尿は目に見えて尿が赤くなる「肉眼的血尿」の他に、見た目に赤さは確認できず、顕微鏡や化学的検査で診断する「顕微鏡的血尿」があります。いずれも治療のためにはまず、詳細に原因をさぐる必要があります。

腎盂腎炎で腰痛、下痢、頭痛が起きる?なぜ?

腎盂腎炎などで、腎臓が炎症を起こすと、腰の痛みを訴える場合があります。腎臓はちょうど腰に当たる部分に位置する臓器です。急性の腎盂腎炎を起こすと腎臓に鈍い痛みを生じ、これがわき腹から腰のあたりの痛みとして感じられることがあります。

また、発熱により寒気やふるえ、頭痛などの風邪に似た症状を示すこともあります。腎盂腎炎が直接下痢の原因になるわけではありませんが、排尿を促すために水を多く飲んだりすると、便が緩くなることもあるようです。

また、腎盂腎炎の治療に使用する抗菌薬によって腸内細菌のバランスが崩れて下痢になることがあります。

腎盂腎炎の重症化可能性 致命的なケースも

腎盂腎炎は重症化の可能性があります。血管を介して全身に細菌が回る「敗血症」や、全身状態の悪化に伴う「急性呼吸窮迫症候群」などの致命的な病気を伴う可能性があります。どちらもショックや呼吸困難を引き起こし、死に至ることもある病気ですので、早期発見、早期治療が大切です。

また、腎盂腎炎を繰り返すと腎臓に傷がついて腎機能障害を引き起こす可能性もあります。腎機能障害が進行すると腎不全になることもあります。腎不全になると自分の力では尿や体内の老廃物、電解質などを体の外へ尿として排出できなくなるので透析が必要になります。

また、腎盂腎炎では、3分の1の方が膀胱炎を合併しているため、排尿時の痛み、残尿感、下腹部の違和感という症状が併発しやすいです。膀胱は、腎臓より性器に近くにあるため、併発しやすいわけです。


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腎盂腎炎の自然治癒可能性

感染による炎症が腎臓全体に及んでいる状態のことを腎盂腎炎というため、自然に治癒する可能性はありません。

全身に細菌がまわってしまい、敗血症となりショックを起こし、命に関わる感染症の1つと考えられています。たとえ症状が軽くても放置せずに、速やかに、医療機関を受診して治療をするのが、よいといえます。

急性の場合は寒気や発熱、吐き気など、風邪に似た症状が出ます。原因がわからないようでしたら、一旦かかりつけのお医者さんで診断を受けてください。適切な診断を受けてなるべく早く治療を始めることが、早期回復への近道です。

腎臓内科や泌尿器科受診を 検査はどんなもの?

腎盂腎炎は内科、腎臓内科、泌尿器科のいずれかの受診が一般的です。

腎盂腎炎の診断のための検査方法は、身体検査、尿検査、血液検査、超音波検査やCT検査などがあります。身体検査で、高熱や腎臓が位置する背部を叩いた時に激痛がある場合には、腎盂腎炎を疑います。

血液検査で「WBC」「 CRP」などといった、炎症が起きているかどうかを探る指標を調べ、炎症反応の上昇があるか、「尿検査」で尿中に細菌がいないかや、白血球が増えていないかなどを調べて、原因となっている細菌の種類を調べます。

超音波検査やCT検査では腎臓に感染が起きているかどうかを確認します。子供や男性、女性でも繰り返す場合には、腎盂腎炎を起こしやすい病気の合併がないかも調べます。なお、検査自体に痛みはありません。

身体検査で腎盂腎炎に特徴的な症状があり、血液検査で炎症反応の上昇、尿中白血球の上昇と細菌の存在が認められた場合には「腎盂腎炎」と確定診断(間違いないという診断)されます。

高齢者の場合や慢性腎盂腎炎では、特徴的な症状(発熱、背部痛、悪寒など)が出ないこともありますが、血液検査、尿検査、必要時には画像検査も併せて診断します。

腎盂腎炎の治療概要 抗菌薬、静脈注射、点滴で治療

治療は抗菌薬の静脈注射と点滴による根治療法が行われます。腎盂腎炎は腎臓に感染している細菌を抗菌薬で殺すことと、なるべく早く大量の尿と共に洗い流すことが大切です。そのため点滴をして尿の流れを良くします。

発熱や血液検査上の炎症反応が改善した場合には、抗菌薬の注射から、飲む薬に切り替えます。再発を繰り返さないためにも2週間は抗菌薬による治療が必要で、抗菌薬終了後は必ず尿検査を行い、細菌がいないことを確認します。

腎盂腎炎の治療で使う代表的な抗生剤

腎盂腎炎の原因となる菌の8割は「大腸菌」です。治療にはニューキノロン系、セフェム系などの抗菌薬が使われます。

ニューキノロン系の抗菌薬は、細菌のDNAを切断して、増殖を妨げる働きがあります。主に尿路や腸の感染症に使われるお薬で、内服薬(飲み薬)としては「クラビット」「オゼックス」「シプロキサン」などがあります。セフェム系の抗菌薬は、細菌が細胞壁を作るのを妨げるお薬で、「メイアクト」や「セフスパン」などが含まれます。

また腎盂腎炎は大腸菌以外にも、緑膿菌などが原因で起こる場合もあります。その場合、治療にはペニシリン系、アミノグリコシド系などの抗菌薬が使われることもあります。

抗生剤利用の注意点と副作用 市販薬はある?

何度も腎盂腎炎を繰り返していると、抗菌薬が効かなくない「耐性菌」となることがあります。その場合、耐性になっていない抗菌薬に変えたり、より強い抗菌薬に切り替えることがあります。

抗生剤の副作用として、アレルギーや吐き気、かゆみ、腎機能障害、肝機能障害を起こす可能性があります。

なお、市販薬で有効なものはありません。また、抗菌薬による治療がメインなので、漢方薬だけでは治りません。

なお、腎盂腎炎の治療にかかる費用は、医療機関の診察代および薬局での処方薬にも健康保険が適用されますので、通常自己負担3割です。

ほぼ入院、期間は1週間程度

初期治療として抗菌薬の注射が必要になることが多く、敗血症などの合併症などを起こして重症化する可能性があるので入院治療になることがほとんどです。しかし尿路に関連した病気や持病がなく健康な場合、血液検査上、炎症反応の上昇が軽度な場合などは外来で治療することもあります。

腎盂腎炎の治療のための入院期間は1週間程度のことが多いですが、抗菌薬を使った治療は合計で2週間行います。

腎盂腎炎は感染症ですが人にうつる病気ではないため、通勤、通学に関する国の規定が時にあるわけではありません。しかし、実際には高熱や倦怠感で学校や会社などに行ける状態ではないことも多く、治療が遅れると全身に細菌が回ってしまうため入院して治療することがほとんどです。

腎盂腎炎の治療期間の目安

症状が軽い場合には、薬を規則正しく飲んで、水分補給を欠かさずに安静を心がければ、1週間から10日前後で症状は治まります。

症状が重い場合や重症化が懸念される場合には、前述のように入院が必要になることもあります。抗菌薬と水分補給の点滴を行い、3日から5日ほどの治療で症状が改善すれば、さらに軽症の場合と同様の治療を行います。

ただし慢性腎盂腎炎など、腎盂腎炎を起こす原因が他にある場合には、その病気にそった治療が行われるため、それぞれ治療方法や治療期間は異なります。

妊娠中もなりやすい 子供には病気が背景の場合も

20歳から40歳での腎盂腎炎の発症率は男女比で1対30にもなり女性が圧倒的に多いと言われていますが、50歳以上になると男性に前立腺肥大症が増加し、男性の割合が大きくなります。

腎盂腎炎は大人でも子供でも発症しますが、子供の頃に繰り返す腎盂腎炎は背景に「膀胱尿管逆流症」(尿が膀胱から尿管や腎臓に逆流する病気)という病気が隠れていることがあり、逆流の程度が大きい場合には手術をすることもあります。

また、妊娠中は子宮の増大により尿管が圧迫されて腎盂腎炎を引き起こす可能性が高いと言われています。しかし、胎児への安全性を考慮した抗生剤しか使用できません。医師と相談しながら抗生剤を選択して治療をします。

授乳中に腎盂腎炎を発症した場合も、抗生剤が母乳中に移行することがあるので薬剤の選択には注意が必要です。


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腎盂腎炎になった際の食事の注意点

腎盂腎炎は細菌の感染が主原因で起こる病気で、腎臓の機能低下を起こす「腎炎」とは異なる病気です。腎炎などでは、食塩や蛋白質の摂取を制限する食餌療法がおこなわれますが、腎盂腎炎では食事の制限はほとんどありません。

注意点をあげるならば、水分を多めにとることで排尿をうながし、菌を外へ出すようにします。目安として1日に1.5リットル以上の水分を摂るとよいでしょう。また不規則で偏った食生活では速やかな回復は望めませんから、治療を怠らないようにするとともに、バランスのよい食事をこころがけましょう。

ただし、慢性的に腎盂腎炎を起こす「慢性複雑性腎盂腎炎」の場合には、やがて腎機能が低下して腎不全になることもあります。腎不全になると、塩分や蛋白質(たんぱく質)などの摂取に関して管理が必要です。

症状の似た病気、間違いやすい病気

腎盂腎炎に似た病気は、風邪やインフルエンザ、髄膜炎(ずいまくえん)、肺炎などです。どの病気も高熱が出る可能性があります。腎盂腎炎による発熱は39度、40度に達することもありますが、風邪と思って放置すると、と全身に細菌が回ってショックを起こす敗血症に進行することがあるので注意が必要です。

インフルエンザは病院を受診し、喉の部分をぬぐった液体を検査すれば15分程度で診断できます。髄膜炎は髄液検査で異常が見られますし、肺炎の場合は胸部レントゲン撮影やCTなどで肺に炎症の影がないかどうか調べれば腎盂腎炎との鑑別ができます。

腎盂腎炎の予防方法

急性腎盂腎炎は特に成人の女性が発症しやすい病気です。病気の原因となる大腸菌は、たいていの場合、大便から尿道に感染します。そのため腎盂腎炎の予防にはお風呂やシャワーなどで陰部を常に清潔に保つようにします。できれば排便後に陰部の洗浄を行うとよいでしょう。

万が一細菌が尿道に入り込んだとしても、腎臓にまで上ってこないように尿で流してしまうことも大切です。そのため水分を適切にとって、膀胱に尿を溜めこまないうちに排尿するようにするのも、予防に向けたポイントとなります。

さらに、急性の腎盂腎炎は菌の感染が原因ですから、免疫力が弱っていると発症しやすくなります。日頃から規則正しい生活を行い、十分に睡眠をとるようにして、免疫力を落とさないようにしましょう。また体が冷えると免疫力は低下しますから、女性は特に冷えには注意するとよいでしょう。

腎盂腎炎ついて原因、症状、治療などをご紹介しました。もしかして腎盂腎炎かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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