プール熱(咽頭結膜熱)の原因、感染経路、感染・潜伏期間、予防方法 流行時期、2回かかる可能性も解説

  • 作成:2015/12/21

プール熱(咽頭結膜熱)とは、アデノウイルスというウイルスが原因で起きる病気で、夏によく見られるため、「夏風邪」の1つとされています。非常に感染力が強く、名前の通り、プールでも感染しますが、それ以外の感染経路も注意が必要です。いつまで人にうつす可能性があるのかや潜伏期間、予防方法も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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プール熱とは?原因はアデノウイルス?

プール熱とは、発熱・のどの痛み・結膜炎を主な症状とした、子供がよくかかる「夏風邪」の一種です。「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」または「アデノウイルス感染症」と呼ぶこともあります。

プール熱は、「アデノウイルス」というウイルスが原因で発症するウイルス性感染症の一種です。アデノウイルスは、肺炎、流行性角結膜炎、胃腸炎、出血性膀胱炎など、さまざまな感染症の原因となります。プール熱は別名「アデノウイルス感染症」ともいいます。アデノウイルスはいわゆる「風邪のさまざま症状」を引き起こす原因ウイルスと考えられています。

アデノウイルスには51種類の型が存在します。うち、プール熱の原因となるのは主に「3型」です。しかしまれに「1型」「4型」「7型」「14型」も原因となることがあり、特に「7型」の場合は、重篤な肺炎を合併するおそれがあります。これらのウイルスが口・鼻の中やのどの粘膜あるいは眼の結膜から体の中に入りこむと、プール熱を発症してしまいます。

プール熱の感染経路

プール熱の原因となるアデノウイルスは、人から人へ感染し、感染力も強いです。感染経路は咳やくしゃみによる「飛沫感染」が主ですが、患者と直接触れることによる「接触感染」や、手などについたウィルスが口を介して体の中に入ることによる「経口感染」も考えられます。

感染源となるのは、感染者の唾液・鼻水・目やに・分泌物・おう吐物・排泄物などです。これらの感染源となる体液などが、手指・食器・タオル・眼鏡・寝具・食品・トイレ・ドアノブ・プールの水などを介して、他の人にアデノウイルスが運ばれると、新たな感染が起こってしまいます。最近では、プールの水は塩素消毒が徹底されているので感染経路となることは少なくなりましたが、タオルを共用することで感染することがあります。

プール熱の潜伏期間はどれくらい?

プール熱に感染してもすぐには発症しません。5日から7日間の潜伏期間(感染しているものの症状が出ない期間)があります。アデノウイルスは体内に侵入してから活動期に入るまでの期間が比較的長めで、この期間は症状がないため本人もプール熱に感染しているかどうか分かりません。

プール熱の他人にうつる期間はどれくらい?潜伏期間もうつる?

プール熱に感染したら、潜伏期間が5日から7日、有症状期間は3日から5日、回復期は2週間程度という経過をたどります。この期間はすべて感染期間にあたり、他の人にうつしてしまう可能性がある期間です。つまり、症状がない潜伏期間中も、ウイルスは体外に排出され、他者への感染の可能性があります。

症状がおさまった後も、咳やくしゃみから2週間、便から3週間ほどウイルスが排出されます。多めに見て感染から1か月間は感染期間があるとみて良いでしょう。

プール熱の流行時期 冬にもなることがある?

流行する季節としては、通常6月ごろから徐々に増え始め、7月から8月にかけてピークとなります。「冬のインフルエンザ、夏のプール熱」と言われるほど季節を代表する病気です。

ただ、最近では、夏以外の流行も報告されていて、冬に発生することも珍しくなくなってきています。都道府県別の観測データによると、冬でも局地的な流行があることが分かります。

夏以外の季節にプール熱が発生する原因は分かっていませんが、アデノウイルスは一年を通して活動しており、温水プールなどの普及によって夏以外にも感染しやすい環境が整っているためだと言われています。

プール熱になりやすい年齢

小児に多い病気で、3歳以下が患者の60%、5歳以下が80%を占めます。高熱が続き、目が真っ赤になるので保護者としては慌ててしまいがちですが、安静にしていれば1週間ほどで治る病気です。

プール熱は一度なると免疫がつく?つかない?

プール熱は一度感染すると体内に抗体が作られるため、その後発症することはありません。しかし、まれにプール熱に何度もかかってしまう人や、同じシーズンに2回感染する人がいます。これは、原因となったアデノウイルスの型が違うためにおこります。

プール熱の原因となるアデノウイルスは主に「3型」という型ですが、1型、4型、7型、14型でも発症することがあります。免疫は型ごとに作られるため、過去に3型に感染して免疫がある人でも、4型や7型に感染することがあります。いずれも同じプール熱ですが、特に7型は重症化しやすいと言われています。

プール熱は予防できる?方法は?

プール熱のように治療法のないうえ、感染力が強い感染症については、予防することが大切です。予防と言ってもワクチン(予防接種)はありません。感染者との密接な接触を避け、夏の流行時には手洗い・うがいを徹底するようにしましょう。また、感染力が強いため、子供の兄弟のいる家庭では二次感染に注意が必要です。

プールにおいては、タオルの共用を避け、プールに入る前後にシャワーを浴びて清潔を保つようにしましょう。プールを管理する側は、塩素消毒による水質管理をおこたらないようにしましょう。

アデノウイルスは消毒薬が効きにくいのが特徴です。ウイルスを覆う膜である「エンベロープ」を持たないためです。通常よく使用するエタノール消毒だけでは不十分です。手洗いにおける消毒法としては、流水と石鹸の手洗いとエタノール消毒を併用します。器具は煮沸のほかグルタラール、 次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨードが有効です。

家庭内で気をつけたいのは、タオルや食器の共用、おもちゃや道具類の共有を避けることです。また、感染者のおむつの処理時は衣類や床などに汚物が付いていないか確認し、扱う時は使い捨ての手袋を使うか、よく手を洗うようにしてください。感染者の目やにや涙を拭くときは使い捨てのティッシュや洗浄綿を使います。できれば感染者の入浴は最後にするのが良いでしょう。

プール熱は、なぜ「プール」という名前がついている?

「プール熱」という俗称は、夏場に子供がプールに行くことによって感染することが多かったために名づけられました。実際、子供同士の接触やタオルの共用、感染している子がプールに入り水が汚染されることによって感染するケースがよく見られました。最近ではプールの水は塩素消毒の徹底により感染源となることは少なくなってきましたが、それでも主な感染場所であることに変わりはありません。

しかし、プール熱は飛沫感染(つばや咳)、接触感染(患者が触ったものを介した感染)によっても伝染しますから、プールに行かないからと言って絶対にプール熱にならないわけではありません。保育園や幼稚園、スポーツ施設、温泉施設でも感染が広がる可能性は十分にあります。特に注意したいのは家庭内での感染です。症状が出ていなくても、普段からタオルや食器の共用はなるべくしない方が良いでしょう。


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プール熱の原因、感染経路、予防方法などについてご紹介しました。子供の訴える高熱や喉の痛みなどに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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